でもそれだけじゃない何かは確実にあるわけで

ALWAYS 3丁目の夕日

OFF帰り、すぐ帰宅するつもりが気が変わって池袋で「ALWAYS 3丁目の夕日」を見て帰る。

この映画は前から良い良いと聞いていたので話半分のつもりで見に行ったんだが、ここまでいい方向に裏切られるとは思わなかった。んじゃめな本舗の中の人が冒頭のワンシーンで号泣したと言っていたが、まさか自分もそうなるとは思ってなかったよ。まあ、冒頭のところで涙腺のスイッチ入る訳じゃなかったけど最期の方に来るともう! 
本当、描いてるのは戦後の復興期、東京タワー建造中くらいの下町の人々の暮らしなんだが知らないはずなのに恐ろしく懐かしい。オート3輪と路面電車が走る東京の町並みの中で初めてのTVの真空管の暖まるのを待って力道山に声援を送ったり、氷式の冷蔵庫で痛んだシュークリームをつい食べてしまったり、そうならないように買った電気式の冷蔵庫に顔突っ込んでみたり、原稿料の前借りが出来ずに指輪の箱しか替えなかったり、そんななんでもない熱気と幸せとちょっとのほろ苦さに満ちた生活が生き生きと描かれてて微笑の中時に笑い、時にホロリと来る映像が延々と流れてるわけだ。
ドカンと一気に来る感動があるわけじゃないけれど、その代わり常に少しずつ感動の種が植え付けられ続けて最期、気が付いた時には心のダムが決壊するほどたまっててもうどうしようも無くなってるような、そんな映画。

観て損は無いどころか、絶対観ないと損するってコレは。


しかしまあ、この前見たヒトラー、最期の12日間に次いで観客の年齢層の高い映画だったことよ。周りの年配の方々はすぐに付かないTVとか氷式の冷蔵庫を見て「そうそう、あんなだったんだよなぁ」と昔を懐かしみながら見てた模様。直接その時代を知らない俺でさえこうなんだから実際にこの時代を体験した方々にとっては当時を思い出していろいろ思う所もあるんだろうなァ。